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バスにひかれた私のBLOG

寒さ

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「気絶していたら、出血多量のショック死も考えられましたよ」

........?マジっすか?
後からになって、医師からきいたこの言葉。
その時にあらためて、「やっぱ私は相当やばかったのか」。そう実感した。
え、遅い(笑)?

でもそりゃそうか。
ほぼちぎれそうな足だったわけで、スネ以外はぐちゃぐちゃだったわけで
動脈もいっちゃってたわけで。あんだけ出血していたら、そりゃそうか。
気絶すると、もっともっと血がいっきに流れでてゆくらしい。
起きていると、力が入ってギュっと血管もなかなか頑張るんだってさ。

寒かった。とにかく寒かった。
でもそれは、冬の寒さで感じる「さむっ」とゆうのとは違う。
急に熱があがってきて「さむっ」と感じるあれとも違う。
海やプールからあがって「さむっ」と思うものとも違う。
違う寒さだったのだ。
なんとゆうか、ある意味、少し心地よい感じともいえるかもしれない。
フワーっとするような。

けれど、救急車の中で感じた寒さはまた違った。
タンカで運ばれ、そのまま車内に寝かされた。
隊員のひとが、矢次のように私に質問をする。
時には、何度も何度も同じ質問を繰り返す。

「なんでおんなじこときくのかね」

そう思っていたけれど、これは質問内容にはきっと意味はなくて
私の何かを刺激してくれていたのだろう、そう思う。

私の身体の上には、青いビニールシートがかかっていた。
顔を少しあげると、両足の指先だけがみえた。
私はこれで、「よかった。足がついてる」。
そう、あらためて判断した。

が、いかんせん寒い。
私には足が見えないような角度でシートをめくり
何度も何度も水をかける。
足にかけているのだろうとは思うけれど、肩の下あたりまで
その水が流れてくる。

寒い寒い寒い。ガタガタと震えてくる。
けれど、これもまた治療のひとつ。
今思えば、こういった行為のひとつひとつがかみあって
今の私があるのだ。

救急車が病院に着いた。
タンカごと降りた私を、数人の医師や看護士が待っており、
ダッシュでベットごと運ばれた。
ベットの両脇を、白衣を着た人達があわてて押していた。
その光景は、まるであの当時によくみていた
ドラマの「ER」のようだった。
そして私はそのドラマのように、救急救命センターへと運ばれたのである。
by akiaki2u | 2007-08-02 10:42 | 受傷
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バスにひかれた元バスガイド 復活迄の日々と今を綴ります