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バスにひかれた私のBLOG

写真

「よく頑張りましたね」

普段とっても無口な先生に
ポツリと優しく
そう言葉にされた時。
わたしの目から
ボロボロと涙がこぼれ
感情をおさえることが
できなかった。
おさえようとも思わなかった。

最初の数ヶ月の入院。
春が終わり夏が終わり
気づけば秋になっていた。

明日、退院かあ。

また、ちょっとしたら戻ってくる。
こことの縁は
まだまだ続く。
けれど、大きなひと区切り。
難しかった試験を終え
卒業するみたいな気分。

とても濃い毎日で
新しい経験ばかり。
悲しくて辛くて
痛くて苦しくて。
だけど
嬉しいことも
楽しいことも。
嫌なことばかりなんかじゃなかった。

そんな
退院当日。
わたしは、写真の束を
みせてもらったんだ。
救急車で運ばれてから
ゆっくりでも
自分の足で前に進めるようになった
この日まで。
形成外科の治療では
毎日毎日
わたしの足の写真を撮っていた。

「吐きそうになるかもしれませんよ」

わたしが
写真を全てみせて欲しいと
そう、先生にお願いした時に
いわれた言葉。
けれど
これがわたしのリアルなんだ。
現実なんだ。
全ての経過をみて
ようやく本当の
区切りがつくんじゃないかって。
そう、思ったんだ。

当日の朝。
ベッド周りを片付けて
最後の診察へ。
そして、みた。

先生が
ポラロイドの束を
そっと渡してくれた。
わたしはゆっくりと
1枚1枚。
確認しながらみていった。

ひどい。
こんな足だったんだ。
すごい。
こんな状態だったんだ。

事故直後に
自分の足はみたけれど
悲鳴をあげた瞬間に
画像がぶっとんだ。
あまりにひどくて
死んじゃうかもしんないと
感じたことはおぼえてる。
けれど、足のリアルは
あまりのショックに
鮮明ではない。

だから
改めて写真でみて
そして
再確認した。
再認識した。

わたしは、今で幸せなんだ。
こんな足になってしまった...
なんかじゃない。
ここまでの足に
してもらったんだ。
この先生や
看護士さんや
たくさんのサポートのおかげで
今のわたしがあるんだ。

嘆くことじゃない。
悔やむことじゃない。
感謝すること。
そして
前にすすむこと。
わたしがすることは
それだ。

そして先生の言葉。

色々な感情が交差して
わたしは涙を
とめることができなかった。
そして
今は泣いてもいいよな。
そう思った。

今現在
やっぱりしんどくて
どうしようもない日もある。
けれど
すすむことを
前にすすむことを
やめようと思ったことは
1度もない。
立ち止まることはあっても
後ろを向くことはない。

これが
わたしの運命なのだから。
by akiaki2u | 2010-04-28 22:02 | 受傷
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バスにひかれた元バスガイド 復活迄の日々と今を綴ります