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バスにひかれた私のBLOG

覚醒

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何故だかはわからない。

やはり、ほど男子に近い血液の濃度である私。
そこが原因なのか。
それとも、持ってうまれた体質からのものなのか。
身体の何かがにぶいのか、図太いのか。
あまりに丈夫な胃腸なのか。

とにかく私は、考えられないほどに
麻酔からの覚醒が早いのである(らしい)。
それは、目や頭だけではなく
身体も、なのだ。

私の受けていた手術の場合
全身麻酔と同時に、脊髄からの下半身麻酔も行う。
ダブル、なのだ。
にも関わらず、術後、異常な速さで覚醒する。

確かに。
なんだか妙にテンションが高い自分がいて
「あれ。私、何かが違う」と、思ったりもする。
でも、夢をみている感覚でもなく
何を話しているのかも、自分でよくわかってる。

もしかしたら、危ない薬なんかをやると
こんな感じになるのかもしれない。
ハイで爽快。

そうなると、酸素マスクがうざい。
「まだダメ」と、看護士さんは言うのだけれど
もう覚醒してしまっているのだ。
自分できっちり呼吸ができている時の酸素マスクほど
うっとーしいものはない。
吸う息が熱くて、吐く息で更に熱くなる。
そう、逆に苦しいのだ。

ええいッ。
勝手にはずしてしまえ。
毎度、こうだ。

そして次にやってくるのが
ありえないほどの空腹感。
そして、喉の渇き。

手術前は、水物も口にできず
当然、食事もとれない。

かといって。
本当のところ、そんなに身体では「腹へった」とは感じてはいない。
でも、なぜだか口が動くのだ。
なんとゆうか、腹具合からではなく、脳みそから。
脳みそが「言いなさい。貴方は空腹なのよ」と、命令する。
そんな感覚。
軽く、ラリってんのかね(笑)。

一般的に考えると。
いや、私が病室をともにした人達。
ほぼ9割の人は、術後しばらくダウンだった。
へたすると、3日間くらい吐き続けている人もいる。
私よりも、随分と軽い手術でも、だ。

が、私の場合。
特にやばかったのは
クリスマスに手術した時のこと。

目が覚めると、ベットの横には4個のケーキが並んでいた。
クリスマスなので、夕食にショートケーキがついたらしい。
でも、その時間の私は、まさに手術中。
部屋のおばちゃん達が、私の為に、ケーキを残しておいてくれた。

そのケーキが視界に入ったとたん
食べたくて食べたくて食べたくて。
もう、どうやってもその要求をとめられない(笑)。

看護士さんが、何度も聴診器をあてにきて
「まだ胃腸が動いていないから食べちゃダメ」という。
そう、覚醒しても、内部が始動しなければ
ゴーサインはでない。
上にあがってきちゃうからね、消化しないで。

もうその時の私は、手におえないガキと一緒だ。
「まだ?」
「ねえ、まだ?」
「もういいじゃない?」
「そろそろじゃない?」

そして「もういいよ」と、言われたとたん。
「え?早食い競争?」みたいな感じで
いっきに4個をたいらげた。

そして満足し、改めて深い眠りにつくのである。

が、翌日。
食べたのはしっかり記憶しているのだけれど
なぜに、あんなに欲したのかは、さっぱりわからない(笑)。
なぜに、4個もやっつけたのか。
まるで意味がわからない(笑)。

なので私の場合。
麻酔の後遺症は

「食欲増進」。

そう、診断されたのである(笑)。
by akiaki2u | 2008-03-16 20:31 | 手術
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バスにひかれた元バスガイド 復活迄の日々と今を綴ります