バスにひかれた私のBLOG

2度目の手術

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私の体質の特徴として。
麻酔のキレが異常に早い。そして、良好だ。
だから術後、部屋に戻ってわりとすぐに覚醒した。

母親が、ベットの横に座ってた。
酸素マスクがうざい。息が熱くて、逆に苦しくなる。
もういいや。「えい」とはずし、すぐにきいた。

「ね。手術、どうだった?!」

心躍る感じで、私はきいた。
安心しきっていた。
いや、安心したかったのかもしれない。
不安を無理にかき消し、良い方向だけをみていた。
いや、みたかったのかもしれない。

が。
母親は何も答えなかった。
そして「先生にきいたほうが......」とだけ言った。

どうゆうこと。
意味がわからない。
「よかったねー。うまくいったよ」。
そうゆう返答だけを信じてた。
いや、違う。
本当は、どこかで感じてたんだ。
感じてたけど、そこにフタをしていただけなんだ。

確かに前向きだった。
けれど、「もしや」。
こんな気持ちを、シャットアウトしてたんだ。

すぐに、体調をみに先生がやってきた。
正直、恐い。言葉を切り出すことが恐い。
そう、先生の口から出る返答が、とてつもなく恐い。

「先生、私の足は........?」

先生は言った。
「あげたまさん。手術は、予定通りにはできませんでした。
植皮をするには、あまりにも足の状態が悪すぎたんです。
普通だと、受傷後2週間もすれば、今のあげたまさんの年齢なら
手術に対応する状態になるはずなんです。
でも、あげたまさんの事故は、やはりあまりにも大きかった。
力が足りなくて、すみません.......」

そして続けた。
「でも、まだあきらめるには早いです。
植皮できないかわりに、コラーゲンのシートを貼りました。
植皮に適する肉を作りあげましょう。
そして、管を通しました。
汚い液を排出しましょう。頑張りましょう」

これが答えだった。

そう。
受傷後すぐに、10時間を越える手術をした。
でもその時には、すぐに切断を防ぐ術を施すことは出来なかったのだ。
無数に骨折した箇所をなんとかした。
すでに壊疽してきていた皮膚をカットした。
切れた動脈の処理をして、輸血をした。
そして、何時間も何時間も。
ひたすら細菌を洗い流したのだそうだ。

3人の医師が、固いブラシで私の足を。
肉を、骨を、腱を、筋を。
細菌に侵されて壊疽してしまわないように
ひたすら洗い続けたのだ。

そして、この日。
膝から下の皮膚が内側にかけて、半分以上なくなっている部分に
太ももから皮膚をはぎとり、その皮膚を移植(植皮)するはずだった。
が、出来なかった。
あまりに内部の...つまり、下地である肉の状態が悪いために
植皮なんぞ出来る状態ではなかったのだ。

スネより外側の皮膚が残っている部分の内側。
ここも、同じように相当悪かったらしい。
ま、残っているといっても、1度はがれてしまった皮膚を
なんとかかぶせているだけなのだが。

とにかく。
何がなんだかよくわからない。
いや、わかっちゃいるけど、違う感情が邪魔をする。

「できなかった。植皮ができなかった」。

そして、私は初めて気がついたのだ。
「私の足、どうなっちゃうんだろ...」とゆうことに。
受傷後、とにかく私は突進していた。
迷いなどなかったし、なるしかないと思えていた。
けれど、なるしかないの先には、どうにかなるだろう。
そうゆう思いのほうが、多分大きかったのだと思う。

だから、どうにかならないのかもしれない。
いや、どうにかなるものではないのかもしれない。
いや、どうにかなってしまう可能性のほうが大きいのだ。
そうゆうことを、この時初めてリアルに感じたのだ。

植皮さえできれば。
足が皮膚で覆われてさえしまえば。
そうすれば、私はどんな形であっても前に進める。
そう思って2週間を過ごしてきた。
激痛で眠れない日々が続いていた。
でも、この日が終われば。
そう思って過ごしていたのだ。

けれど、現実はそう甘いものではなく。
「手術ができなかった」。
そのリアルが、大きく大きく大きく。
私の心の弱い部分に、その大きなリアルが刺さった。

私は、ベットに埋もれて泣いた。
6人部屋での夜。
声を殺して泣いた。
私の足は、切断に限りなく近かったのだ。
簡単なものなんかじゃなかった。
すぐに乗り越えられるものでもなかった。

この時、先生も看護士さんも。
みんなが「ほぼ100%切断になるだろう」。
そう思っていたそうだ。
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by akiaki2u | 2008-03-01 22:45 | 手術
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